短編 黒子おおぉ!

□黒緑
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(緑間君あはぁうほぉあはああああ!となった状態で書きました。後悔はしてない。)
(はっぴーばーすでー緑間っち!)














「黒子っちぃ〜。」

ずしり、と肩に掛かる重み。
後ろを横目で見ると案の定黄瀬だった。
厳しい練習で疲れた体に容赦なくのしかかる体重。
嫌な顔を隠す事が出来ない。
それに気づいているのかいないのか、黒子っち黒子っちと
抱きしめられる。
なんというかとりあえず重い。
どいてください、と言おうとするとそうそう、と話しかけてくる。
用があって来るとか初めてじゃないのか…?多分。


「そういや今日緑間っちの誕生日っスけど、黒子っち何用意してんっスか?」

黒子の耳元でニヤニヤしながら問いかける。
黄瀬は、緑間と自分との仲をしっているから、たまにおちょくるが……
やめてください、と余裕な口調とは裏腹に
内心は焦っていた。

(そういえば…そうでした。)

今日は大切な恋人の誕生日である。
何故そんな大切な日を忘れていたのか。
バスケの大会が近く、バタバタとしていた。
しかし、余裕のとれない
自分の計画性の無さに非があるのだろう。
用意も何もできていない。
流石にこれは恋人としてまずいのではないか?
しかし、今からできる事はないし、

素直に謝ろうと思う。

それでもって自分にできる事とは何か、考えなくては。


そうとならば、



「黄瀬君、有り難う御座います。」

するりと腕からすり抜けると、全力て走った。
早く、帰らなくてば。
やることが山ずみにくる。
なんだか、楽しみにすらなってくる。










ピンポン、とインターホンを鳴らす。
定番お馴染みあの音がなり、しばらくの静寂。
この沈黙はかなり長く感じてしまう。

あれから家で一時間、柄にもなくパソコンを開き、
「彼氏が喜ぶプレゼント」やら、
「お金をかけずにプレゼント」
「彼が喜ぶ事」
だの、やたら女々しく調べ、用意したら
一時間も掛かってしまって。
とりあえずは、来てみた。
前持って連絡はいれたがもう夜も遅い。

(あ… れ、遅くないですかね。)

インターホンを鳴らしてしばらく。
反応、応答が無い。
連絡の返事で「待っている。」とあったし、
いないはずはない。
不思議におもいそっとドアノブを開けてみる。




ガチャリ



(…………開いた。)

イコール、人、いるじゃないですか。
なんで、でないんでしょう。
恐る恐る玄関にはいる。あ、駄目かな。
靴は一足のみで。


(緑間君しかいないのでしょうか……。)

そういうことになるな、と自問自答し、
ゆっくりゆっくり歩いていく。

(何か、悪い事をしているような気分だ。)

彼が天井の低い階段とブツブツ言っていた階段。
一人で登るとどうってない普通の階段にしか感じなく。

物、足りない。

(ああ、どれだけ僕は溺れているのだろう)

僕の世界の中心は緑間君ですか!?と
心の中で自分と葛藤。

……何馬鹿な事考えてんだろうか。

完全にのろけだ。


そこそこ長い階段を登り終え、横に曲がり少し進む。

部屋の前に、つきました。


ああ、どうしようきちゃったし、でも連絡いれたしなぁ……。

だからといって突っ立っているのも……


あーあ、中途半端。

(どっと疲れがきます……)


扉によっかかるとあら不思議。





はいっちゃいました。(部屋に)

しっかりと閉めてなかったらしい。
どどどどうしよう…。
そうおもいちらりと横を見れば、
すやすやと規則正しい寝息をたて机にぶっつぶしてる恋人の姿。


(わぁ……)




寝て……いる。


眼鏡つけっぱなしで、参考書は開きっ放し。

すやすやと寝息たてるも眉間に皺ができていて。

途中「んむ……んぁ……」と言うのがどことなく可愛い。

ぷにぷに、とほっぺたを触っても反応ナシ。


(こんな機会、めったにないですね…)


持っていたプレゼントはベッドに置き、
隣に座り、寝顔を観察。

今日は相手の誕生日というのに。
自分が特をしている気がしてならない。


すやすや、と気持ち良さそうにねている所をみると次第に眠くなって。


(ああ…、ねちゃいそうですね。コレ。)


少しだけと言い聞かせ、瞼を閉じた。









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