短編テニス

□やっと気づいた
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期末テストが近いということで、勉強会をすることになりました。
勉強会。まぁ、なんというか勉強会っていうとどこぞのゲャルゲかなんかである「保険のお勉強(はあと)」みたいなものだろう。…少なくとも俺の知ってる勉強会は。まぁでも俺の彼氏ミスターパーフェクトはそんな下心(というかイメージというか)を超え、本当に完璧な「勉強会」に仕立てている。
それが今の状況。何?これ。
え、いやまぁ勉強会ですけどもね。はいはいそうですよ。でも…え?何?これ。(二回目)
しかも前で肘つきながら普通にすらすら解いていく白石さんは流石だと思う。
何とかの何とかがこうなり〜とぽつぽつ漏れる独り言はちんぷんかんぷんで。
俺そんな所ならってませんって。というかなんの為の勉強会なのだろうか。
はっきり言って白石さんに教える事なんてないし、白石さんに自分の駄目な所なんて自分のプライドが許さない。
教えてくださいって…!そんなのもわからない馬鹿って思われたらどうすんねん。いや、まぁ優しいから部長…あ、白石さんは教えてくれるんだろう。だけど万が一にも理解出来なかったら?能なしって思われたら?脳ある鷹は爪を隠すの座右の銘が泣く!それに俺は白石さんには「よくデキル子」(色んな意味が含まれる)と思われたい。その為に俺はいままでも頑張ってきたというのに!こんな簡単に崩されるなんてもっての他。
早く終わらないかな、勉強会。

あ、格好いい。

授業中の白石さんってこんなんなんだろうなぁ、と思う。
もともと整っている顔立ちの白石さんだけど、本当にカッコ良くみえる。…引き立つ?
白石さんは字も上手いし。それに優しい。容姿、性格…すべてにおいて完璧まさにパーフェクト•バイブル。尊敬しております。
恋は盲目とかなんとかあるけども、しょうがないじゃないか。格好いいし。というか好きなんだし。愛してるから。
薄っぺらい昼ドラとかは苦手だし、歯の浮くような寒い…甘い?キザっぽいセリフは言えない。し、逆の事しか言えない。けど、心の中で位はいいんじゃないか…?
ああ、シャーペンになりたい…。
と、ここで気づく。今は勉強会だ。
白石さんの顔をみると目がぱちっとあって。クスクス笑い出す。
某可笑しいのだろうか?顔に何かついてるありきたりなパターンか?あ、そしたらとってくれるトキメクあのシチュエーションじゃないか!ああどうしよう。妄想が暴走している。昨日プレイしたエロゲのせいだ。(因みに謙也さんに押し付けられたもの。巨乳のおねいさんが半端なく多かった)俺の脳内はどうしてもソッチにもっていってしまう。

「ん…………財前!」
「!?」
「…おーい。起きてるかー?もしもし天才光ちゃーん?」
「あ、はい。生きてます。すんません。」

どうやら俺は自分の世界を展開していたらしい。馬鹿じゃねえの俺。
…というか。
顔近い!え…何これ。(四回目)
すっごいにこにこしてるし…てか近い。近いよ。

「……あの、近い…です。」
「そやな。」

………は?
何これ。(五回目)あんた勉強どうしたんだよ!てかそんな目で俺みるな!発情期の犬ですか!?白石部長あの本当に……

「勉強せなアカンやろ?明日数学と保健体育と日本史やで?」

「あー、はい。そっすね。」

保健体育に反応してません。
保健体育に反応してません。(大事なので二回いいました)

あーもういやや。
改めてテストの話となると痛い。
はっきりいって今回は厳しい。
自信ない。

「勉強教えたるよ。」
「いや、でも……」

じりじりとにっこり笑顔で言いよる白石さん。こういう場合の検討は大体ついている。
俺がおれる。


「じゃあ、日本______ 」

日本史、そういおうとしたとき、唇が塞がれた。
突然の事で最初何がおこったかわからなかった。今はキスされる意味がわからない。
舌が俺の口の中に入りこむ。ざらりと舌と舌が絡みあうこの時が堪らなく好き。


やっと唇が解放された。
散々弄ばれた俺は力ががくりとぬけた。
白石さんはとても妖艶な笑みを浮かべ俺にそっと耳打ちをする。



「保険のお勉強の時間やで?」

やっと気づいた。この人は_______














「白石さんなんてもう知らん!」
「すまんて〜。光も結構ノリよかったしつい…」
「ついって!ついって何?!あーもうテスト最悪ですやん。まぁ、俺が天才だったから平均以上取れましたけど…」
「あ…はは。」
「次やったらカブリエル殺します。」
「あ、それはアカン!堪忍してや…」

「……はぁ。」


  

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