dream

□あなたと過ごす楽しい時間
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私の体に触れる腕は温かくて優しいのに、でも私をギュッと力強く抱きしめてくれている。
頭にフィットする腕枕。
呼吸困難になるほどのキス。
少し汗ばんだ体を、動かせば、まだ、そのままでとの優しい声。
私は、また微睡み(まどろ-み)はじめ、深く深く夢の世界へ落ちていく。



という、夢をみたのです。
そんな二日酔いの朝だった。
気持ちが悪いのに、また夢の中に戻りたい

そんな気分だった話を酒の肴に飲み仲間である銀時にすると憐れみの篭った目でこちらを見られた

「銀さんは、お前が不憫でならねぇよ…夢に見るまで相当溜まってんだな」

「失礼だな!そんなことないよ!ただ条件が揃っただけだよ!!」

「条件?」

その条件を詳しく説明してあげる。
なんてことはない。
温かい腕→毛布
私を抱きしめて→重過ぎる掛け布団
腕枕→枕
呼吸困難→飲み過ぎで気持ち悪くて呼吸が辛い
汗ばむ体→洋服も着替えず寝たせいと飲み過ぎで暑い
優しい声→脳内のモルヒネ

決して欲求不満や淋しいなんてことはない。
ただ条件が揃っただけの話です。

そう告げると、何も言わず銀時がお酒を注いでくれた


「まぁ、アレだよ。うん、お前強く生きろ!銀さん応援してやっから」

お酒を飲む私の背中をバシバシ叩きながら言った。
全くもって失礼なやつだ

「もう、私にだって選ぶ権利はあるし、男なんて星の数だよ。その中で銀時は勘弁して下さいの分類だよ?」

「何その言い方!俺の小鳥さんのような心が傷ついちゃうだろ!?」

「だって、本当のことだし」

「いやいや、俺にだって選ぶ権利はあるからね?!俺は可愛くてお金持ちでデザート作りが上手い子と結婚するんだからよ」

「玉の輿か、コノヤロー」


ギャアキャアとそんな会話をしながら、楽しい時間は過ぎていく

でも、正夢にならないかなぁとぽそりと呟けば、こちらを見ず銀時にくしゃっと頭を撫でられた

願うくらいは許されるだろうか?
あわよくば、私の夢の隣に居る人がこの男でありますように。


<<あなたと過ごす楽しい時間>>


(銀さん、ここはあなた曰く不憫な女の子のために奢って)(バカヤロー、独り身のリッチマンが何を言うか)(今、ムカッとしたので絶対奢りません)(嘘つきました、すみません!奢って下さい!)


End.


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