Mi trovi.

□生まれた差は縮んだはず…なのに。
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「王家に産まれる双子は災いをもたらす」


なんて言われて、ジルとオレは常に揉め事の中
心だった。




それは名付けの時からそうだったようで、兄貴のジルにはラジエルという天使の名が、弟のオレにはベルフェゴールという悪魔の名が付けられた。



決して、自分の名前に不満があるわけではない。
しかし、産まれてきたほんの数分の差だけで、こんなにも境遇が変わってしまうものなのか、と、オレはそれに腹が立っていた。



何でもオレの少し前を行く、ジル。

最初は何でもない差が段々と開いていく気がして、焦りが生まれる。

そして、また失敗。



悪循環。負の連鎖。



その連鎖を断ち切りたくて、オレは何度もジルに勝負を挑んだ。

勉強、かけっこ、武術。

負けてももう一回。何度も何度も。毎日、毎日。


そこはやっぱり双子で、王子で。どちらも負けを認めない。
何度も何度も勝負。それは、段々と、殺し合いに発展していった。




「「こいつがいなければ、自分が正当王子」」




勝てないなりにも、ジルとの差は縮まった。

どっちが正当王子でも、おかしくなかった。






なのに。





「ジルは長男なのだから、もっと頑張るんですよ」

「期待しているぞ。ジルはいずれ国王になるんだからな」

「はい。父様、母様」





ジルだけが呼ばれた部屋の前で、オレは聞いてしまった。



正当王子は、ジルらしい。







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