Mi trovi.
□さくらんぼ。
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宣戦布告してから数日後。この日のおやつは、アリスの要望で、さくらんぼだった。
「うまい?」
「おいしいですわよ。ジル様もいかが?」
「アリス、食べさせて♪」
「仕方がないですわねー…」
「おやつは三人で食べましょう」というアリスのお願いだから、仕方なく一緒にいるけど、正直うんざり。ベタベタしやがって。アリスはオレのだし。
「ベル様も食べますか?」
そういって微笑むアリスは幸せそう。ジルと一緒にいて楽しいか?悔しい。悔しい。悔しい。
「うん。アリス、オレも」
そう言って口を開けると、分かっていたように、さくらんぼを入れてくれた。
「どうです?」
「ん…。甘い」
「良かった。はい、もう一個」
「ん…」
「アリス、オレにも」
「はいはい、ジル様」
そう言って、またジルの口に入れる。
次に手にしたさくらんぼをみて、アリスは嬉しそうな声をあげた。
「あ…見てください、これ!3つくっついてます!」
「だから?」
「ジル様と、私と、ベル様みたいでしょ?」
「それを言うならこれは、オレとアリスだな」
そう言って、ジルがつまみ上げたのは、2つがくっついたさくらんぼ。
悔しいからごそごそ探していると、オレも見つけた。
「これは、オレとアリスな」
「…もぅ…」
「ししっ♪アリスは照れ屋だな」
さくらんぼのように赤く染まった頬は、どっちに向けられたもの?なぁ、アリス…
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