Mi trovi.

□姫のキモチ。
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アリスはいつも、オレとジルを平等に見る。


オレはそれも嬉しかった。
城の人間は、みんな、ジルは兄、オレは弟として見るからだ。たった数十分なのに。それなのに。



「ベル様。今日は何して遊びますか?」
「アリスー、ベルなんかほっといて、オレと遊ぼうぜー?」
「ダメです。ジル様とは、昨日遊んだでしょう?」
「別にいーじゃん」
「ダーメ」

「じゃあ…かくれんぼしようぜ。ジルも」
「は?」
「アリスが隠れて、どっちが早くアリスを見つけられるか、勝負」
「…ししっ♪いいぜ。やってやるよ」
「じゃあアリス、隠れてきて。10分したら見つけに行くから。隠れるのは、この城の敷地内な」
「分かりました。絶対見つけてくださいね」



それは、どっちに向けて言われた言葉なのか、オレには分からなかった。







「アリスー?なぁ、アリスー」


いくら探しても見つからない。ジルがもう見つけてしまったのだろうか。もう、かれこれ40分は経つ。すると…



ガサガサッ



音がしたので見てみると、いた。アリスだ。


「アリス見ーっk…うわっ」
「しーっ!静かに、ですわ。ベル様」
「何で?ジルに言わねーと」
「もう少し、二人でお話ししてましょう?二人でお話しすること、ジル様とはあっても、ベル様とはあまりなかったですから」
「…うん」



「ベル様はジル様のこと、どう思ってますの?」
「嫌い。死ねばいいんじゃね?つーか、オレが殺してやるよ」
「ダメですわ、そんなこと。兄弟ですのよ?」
「あんなやつ知らねーよ。兄貴でもなんでもない」
「ダメですわ。お兄ちゃんも大変なんですのよ?」
「弟も大変だっつーの」
「ねぇ…ベル様?」
「何?」


「ベル様は私のこと…好きですか?」


正直、この流れでそう言われるとは思ってなかった。でも、答えは決まってる。


「好きに決まってんじゃん。アリスはオレの姫になればいいよ」
「良かった…」
「え…?」




短い間触れた、唇と唇。




「私ね?ベル様のことが好きなの。ベル様が国王になれば、私ベル様のお嫁さんになれるわね」
「マジ…で?アリスが…オレのこと…?」
「うん。でも、ジル様には内緒ね。ジル様怒ると怖いから」
「うん。二人の内緒、な」




しばらく二人の時間を堪能して、ジルの所に戻った。
しっかり恋人繋ぎして。








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