Mi trovi.
□殺戮げぇむ。
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ジルとオレのケンカは、日に日にひどくなっていった。
昨日は、ミミズ入り泥団子を食わされた。だからオレは、下剤をたらふく、ジルの飯に混ぜといた。案の定ジルは腹を壊した。ししっ♪いい気味。ざまあみろ。
鼻糞の付け合いから始まり、投石、投岩、投ナイフ。負けず嫌いのジルが降りるわけもなく…結局オレが勝った。ジルは、オレが殺してやった。
あれ…?なんだ、このキモチ。
ドクドクする。気持ちイイ。うししっ♪さいっこー♪もっと…もっと味わいたい。この快感。
オレは城中を走り回った。オレとジルを散々比べてきた父様や母様はもちろん、使用人たちも、一人残らず殺した。
あ゙〜っ!!さいっこー。気持ちイイ。
…でも、どれもジルを殺したときに感じたキモチとは違った。
あと殺ってないのは…。
アリス。
アリスは部屋で一人震えていた。なんだよ。オレのことが怖いのかよ。好きだって言ったじゃん。なんだよ。なんなんだよ。
「アリス…」
「ベ、ル…様…」
「バイバイ」
アリスの心臓ど真ん中を狙ったけど、ちょっと右にずれた。
刺さった。呻いた。倒れた。
「ね…ベル…様」
「なんだよ…まだ生きて…」
「わた…私、ベル様のこと、好き…だった。今でも…好き。ベル、様に、殺されるんだった…ら…仕方ない。でも、ね?私、生まれ変わっても、またベル様に恋するから。だから…ベル様…わたしを…見つ…け…て………。お願い…」
そう言い残して、アリスはこときれた。アリスの閉じられた瞳からは、一滴の涙が流れていた。
「…みーんないなくなった」
楽しかった殺戮げぇむは、アリスの死で幕を閉じた。
そしてオレは、ヴァリアーに入隊することになる。
あの快感を得るために。
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