Mi trovi.
□スイートルーム。
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「え……もしかして、ベルって本当に王子様?」
「ししっ♪だから言ったじゃん」
「広ーっ!!」
下着泥棒で落ちていた私の気持ちは、目の前の部屋で、一気に回復した。
広くてきらびやかな部屋。キングサイズってやつだと思われるベッド。なんにせよ、規模がでかいっ!
「そう言えば…ベル」
「なに?」
「さっき、明日の朝食二人分…みたいな注文してたよね?」
「オレと、梨華の分じゃん」
「払えないよ!?」
「何言ってんの?オレが払うに決まってんじゃん」
おぉ…。段々ベルが本当の王子様に見えてきた…。
「…ありがと…」
「どーいたしまして♪」
聞こえないくらいに言ったつもりだったのに。
そういえば、さっき「なんか盗られた?」って聞かれた時の答えも…小さかったっけ。耳いいのかな。
「そういえば…」
「ん?」
「私、何処で寝ればいいの?」
「ベッドだろ」
「ベルは?」
「一緒にベッド」
「はっ!?」
「寒い中迎えに行ったんだからさー…いいじゃん」
「よくないっ!…私、あのソファーで寝るから!」
「ダーメ。梨華に拒否権なし」
「ちょっと!」
「あ、梨華。風呂入る?」
「え…うん…」
「入ってきていーよ。オレテレビ見てるから」
「あー…うん」
「心配しなくても覗かねーから。あ…もしかして着替え?」
「いや…いいよ。この服もう一回着るし」
「そ?…ま、この時間じゃ、もう店やってないか」
「うん。…じゃ、お風呂借りまーす…」
「どーぞ」
軽く流されたベッドの件。
どうしようかと思考を巡らせ、シャワーを浴びた。
(にしても、風呂も広いな…)
「…ん?」
微かにする、変なニオイ。
水で薄まってはいるけど、なんだか鼻につくニオイ。
……なんだっけ?
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