Mi trovi.
□感じたニオイの正体。
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「上がった…けど」
「んー」
「本当に一緒に寝るの?」
「そんなに嫌なのかよ」
「嫌…じゃないけど…」
まぁいいや。もう眠いし。
「……お邪魔しまーす」
「ししっ、やっとかよ」
「おやすみ…」
「ん。おやすみ」
ちょっとベルの方に寄って匂いを嗅いでみたけど、さっきのニオイはしなかった。てか、むしろいい匂いがする。
気のせい…だよね。うん、そうだ。
そう思ったら、急に睡魔がやって来た。
――――――
―――
―
カチャッと、ドアが開く音がした。
その瞬間、お風呂で嗅いだあのニオイの濃くなったものが、辺りに漂った。
(何だろ…)
そして、ふと気づく。
(ベルがいない…)
隣で寝ていたはずのベルがいなくなっていた。
じゃあ、入ってきたのは…ベル?
だとしたら、あのニオイは?
気になることが多すぎて、すっかり目が覚めてしまった。
ベッドでじっとしているうちに、シャワーの音がした。
私はそっと抜けだし、ニオイのする方に歩いていった。
「…ッ…!!」
ニオイの元は、ベルのコートだった。
真っ黒なコートについた…シミ。
黒を濁らしているものは………
血、だった。
身体に力が入らない。
心臓がうるさく鳴っている。
言うこと聞いて!私の身体!
無理に身体を動かして、ベッドに向かった。
怖いわけじゃなかった。心のどこかで分かっていたような…不思議な気持ちだった。
頭痛がする…頭が割れそう…。
これは……何?
私は意識を手放した。
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