Mi trovi.
□前世ノ記憶。
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ここは…何処?
「ジル様、ベル様!ケンカはダメです!」
「ししっ♪もうバテたのかぁ?ベルっ」
「は?ししっ、バテてねーし!ジルだろ、バテてんのはっ」
「ナイフ投げたら危ないです!!」
金髪の、よく似た男の子二人が、目の前でケンカしてる。
そして、私が二人のケンカに割って入って、そのケンカは終わった。
二人の男の子の笑い方は、まるでチシャ猫。ジルとベル…って言うのかな。
そういえば、私の知ってるベルもあんな笑い方してたなぁ…。
もしかして、ここは…
「アリスはそこに座ってればいいのにさ!」
「すぐに決着つくしっ」
「とか言って、この間ずっとケンカしてたじゃないですか!」
私がアリスさん…ってことは、やっぱりここは、私の前世…アリスさんの記憶。
だとしたら、あの双子のどっちかはベル?見分けつかない…。
「どうしてかけっこがケンカになるんですか!ベル様、負けず嫌いにもほどがあります!」
「だってさー」
「ジル様も、乗らなきゃいいんですわ!」
「だってベルが…」
あー…よく言い訳に「だって」って使ってたなー…。
懐かしい…
え…?今私、懐かしいって言った?
初めて見たよね?この光景…
しかも、分からなかったはずなのに、見分けられた…。
やっぱり…アリスさんが私の前世なの?
だから懐かしいの?
だから分かったの?
うっ……また頭が…
――――――
―――
―
「梨華……梨華!」
「えっ…?」
「何してんの?こんなとこで…」
「ジル…」
「は?なんでジル?」
「ベル、双子の兄弟いるの?」
「いた…けどさ」
「やっぱり…」
「は?」
「ベルは口説いてるんじゃなかったんだ…」
「は?」
「見たの」
「何を?」
「前世の自分……アリスの記憶を…」
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