Mi trovi.

□代理による復讐。
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時は数分前に遡る。


『遊び』から帰ったベルフェゴールは、いつものようにコートを脱ぎ捨て、風呂場に直行した。


まぁ、今回はただの『遊び』ではなかったのだが。




実は彼は、梨華が眠ったのを確認した後、梨華の家まで向かったのだ。そこで偶然、下着泥棒に遭遇した。

まだ盗み足りなかったのか、一度侵入した家だったから勝手を知っているのか、とにかく梨華の家を物色していたのだ。



今日のベルフェゴールのお目当ては、この泥棒だったのだ。






「なぁ、お前何してんの?」
「あ゙ぁ?誰だてめぇ!ここの家のヤツか!?」
「違うけど?」
「なんだ同業者か…。焦ったぜ…」
「はぁ?誰がお前と同業者だって?」



ベルフェゴールはナイフを一本、当たらないように、しかしスレスレになるように投げた。



「なっ……お前何者だっ」
「プリンス・ザ・リッパー…っつって、分かんないだろ?」
「………。」
「ま、どーせお前死ぬんだし?いいよな、分かんなくても」



放たれた静かな、でも確かな殺気を感じたのか、泥棒は逃げ出した。



「逃げてくれた方が都合いいんだよなー」



ベルフェゴールは、足がつかないように、さっき投げたナイフを拾い、泥棒を追いかけた。



「ひぃっ…!なんなんだてめぇ!」
「プリンス・ザ・リッパーだって言ってんじゃん。プリンスの意味くらい分かるよ…なっ!」
「ぐあっ」
「左足もーらい♪ついでに右足もっ!」
「ぐあぁぁぁっ!!や、やめてくれっ」
「ししっ、やーだ♪次は心臓な」
「やめてくれ!!どうか…命だけはっ」
「やだっつってんじゃん。梨華のこと狙った自分を恨めよ?」




そう言って、ナイフを一本、心臓に突き刺した。






事切れたのを確認して、路地裏に引きずって運んだ。
使った三本のナイフを回収して、ホテルに戻った。


そして、最後の返り血が思った以上にすごかったので、シャワーを浴びている、というわけ。





風呂場から出たあと、ベルフェゴールは驚愕した。
ベッドの手前で、梨華が倒れていたからだ。


「梨華……梨華!」
「えっ…?」
「何してんの?こんなとこで…」


声をかけると、すぐに目を覚ましたため、少し安心したベルフェゴール。しかしその少し後、また驚愕することとなる。



「見たの」
「何を?」
「前世の自分……アリスの記憶を…」









―――――――
貴女が寝てから目を覚ますまで、ベルが何をしてたか、の記録。

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