Mi trovi.

□初めまして、私。
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『初めまして。私の生まれ変わりさん』
「…誰?」
『アリスですわ。貴女の前世の』
「ふーん…。まさしくアリス…ね。私は梨華」
『梨華…』



金髪に青い瞳。かわいらしい少女が目の前にいた。
多分、6歳くらい。
それでも、19歳の私と対等に喋れるんだから、さすがお嬢様。…ベルたちの許婚だもんね。



『梨華…貴女の気持ちを聞かせてほしいの』
「なんの?」
『ベル様のことを…どう思っているのか』


「分かんない…」
『分かんない?』
「分かんないよ…。まだ、出会って数日なのよ?それなのに…」
『おかしいなぁ…』
「え?」
『恋って感情が薄まってしまってるみたいだわ…。誤算…』
「は?」
『まぁ…大丈夫よね。ベル様は好いてるみたいだし』
「さっきから言ってる意味が分かんないんだけど…」
『大丈夫よ。ベル様は王子様なんだから』
「余計意味分かんないし…」
『大丈夫。自分に素直に頑張って』
「はぁ?」





そこで目が覚めた。





「梨華?」
「ねぇ…ベルは…何してる人なの?」
「え?」
「昨日の……血、でしょ?」
「……。」
「そうなんでしょ?…誰の血だか知らないけど…ベルのじゃないよね?」
「うん」
「死んだの?」
「うん…」
「そう…」
「怖い…?」
「怖いわけじゃないけど…」
「じゃあ…何で震えてんの?」




震えてる意識なんてなかった。
なのに、なんで?




「…オレは、暗殺部隊の幹部」

「え…?」

「人を殺す仕事をしてる」

「…………。」

「それでも、オレを好いてくれる?」

「……、…。」

「オレについて来てくれないんだったら、秘密を守るために、たとえ梨華でも、殺さなきゃなんない」

「………。」

「真実を知っても、前世とか関係なくても、オレについて来てくれる?」








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