愛した人よ悪夢を
□キミへの愛は加速する!
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「はぁ…いいなぁ……」
オレはヘッドフォンを外した。
まどろむベッドのうえ。
本日発売の、大好きなアイドルの歌を聴いていた。
「やっぱりあやたんは、最高だな、」
あやたんとは、今、飛ぶ鳥を落とす勢いの売れっ子アイドルである。
テレビにも出突っ張りで、いつ睡眠をとっているのか不安にすらなる。
そのあやたんの、隠れファンをオレはしている。いわゆる、アイドルオタクというやつだ。
あくまでも、隠れて。
親ですら、このことは知らない。
「あやたん………」
目を閉じると、あやたんの、まるで天使のような笑顔が浮かんだ。
そのまま枕を抱きしめる。
オレは、あやたんがいるから生きていられた。
いないともう、うまく生きられない。
あやたんに出会えた、あの日にオレは生まれ変わったのだ。