その他・復活1
□溺れる君は藁をも掴む
1ページ/2ページ
「や、も・・・やぁ」
私は首を捩って、後ろから口付けるザンザスを睨んだ。
しかし涙のせいで充血しきった弱々しい瞳では、全く意味がない。
かえってそれは男の性を逆撫でて掻き立てるだけだったようで、中で質量を増した彼にビクンと腰が大きく跳ねた。
もう何時間もずっとこうしている。
外はオレンジ色に変わりかけているというのに、ザンザスは一向に私を解放する素振りを見せてはくれない。
報告書を持って部屋を訪れる筈だったスクアーロは、予定の時刻から二時間経っても姿を見せなかった。
「あ、んぅ・・・スクア・・ロ、気ぃつか、て・・・」
「放っとけ。また後で来るだろ」
「さい、て・・・ッ」
「うるせぇ」
カスの名前を口にすんじゃねえ、と今度は先刻より乱暴に口付けられた。
ヌルリと侵入する舌に、否応なく身体が震える。
しとどに濡れる下半身は、彼の言う通り淫乱な証拠だろうか。
唇を離すとザンザスはハッと嘲るように笑って、下から私を突き上げた。
「ああッ」
「何考えてやがった?」
「ああ、あ、だめ・・・んン!」
「淫乱」
「知、てるもん・・・」
自分の上で悶える私を見て笑う彼はサディストだ。
だからそのザンザスに身体を開拓された私はマゾヒストらしい。
よく分からない定義だ。
前にザンザスが教えてくれた。
焦らすような動きから、急に激しく変わる抽挿に、私の手は縋るものを求めて空を掻く。
すぐ後ろにザンザスはいるのに、振り返らなければ見ることが出来ないこの体勢が恨めしい。
あの紅い瞳に見詰められたいのに、キスしたいのに、叶わない。
彼は知っていてこうしているのだ。
わざと辛い格好で、私が悲鳴を上げるのが楽しいのだ。
突然身体が密着して、頬を幾筋も伝う涙をザンザスの指が絡め取った。