その他・復活1

□溺れる君は藁をも掴む
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「や、も・・・やぁ」



私は首を捩って、後ろから口付けるザンザスを睨んだ。

しかし涙のせいで充血しきった弱々しい瞳では、全く意味がない。

かえってそれは男の性を逆撫でて掻き立てるだけだったようで、中で質量を増した彼にビクンと腰が大きく跳ねた。

もう何時間もずっとこうしている。

外はオレンジ色に変わりかけているというのに、ザンザスは一向に私を解放する素振りを見せてはくれない。

報告書を持って部屋を訪れる筈だったスクアーロは、予定の時刻から二時間経っても姿を見せなかった。



「あ、んぅ・・・スクア・・ロ、気ぃつか、て・・・」

「放っとけ。また後で来るだろ」

「さい、て・・・ッ」

「うるせぇ」



カスの名前を口にすんじゃねえ、と今度は先刻より乱暴に口付けられた。

ヌルリと侵入する舌に、否応なく身体が震える。

しとどに濡れる下半身は、彼の言う通り淫乱な証拠だろうか。

唇を離すとザンザスはハッと嘲るように笑って、下から私を突き上げた。



「ああッ」

「何考えてやがった?」

「ああ、あ、だめ・・・んン!」

「淫乱」

「知、てるもん・・・」



自分の上で悶える私を見て笑う彼はサディストだ。

だからそのザンザスに身体を開拓された私はマゾヒストらしい。

よく分からない定義だ。

前にザンザスが教えてくれた。

焦らすような動きから、急に激しく変わる抽挿に、私の手は縋るものを求めて空を掻く。

すぐ後ろにザンザスはいるのに、振り返らなければ見ることが出来ないこの体勢が恨めしい。

あの紅い瞳に見詰められたいのに、キスしたいのに、叶わない。

彼は知っていてこうしているのだ。

わざと辛い格好で、私が悲鳴を上げるのが楽しいのだ。

突然身体が密着して、頬を幾筋も伝う涙をザンザスの指が絡め取った。




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