その他・復活1

□20101031
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ザンザスに飴をやろうと言われたので、部屋に行ってみた。すると部屋に入るなりキスされる。飴をくれるのではなかったか。
抵抗したところで無駄なので、とりあえずザンザスに身を任せてみる。髪を掻き上げ、まずはおでこ。ちゅっと小さくリップノイズがする。それから瞼、鼻の頭、少し下がって頬。流れるような動きに思わず赤面していると、カサリと何か包みを開く音が聞こえた。今まで肌の上を這っていたザンザスの唇が、今度は私の唇を塞ぐ。ふに、とした感触と一緒に、口の中に甘みが広がる。イチゴ味だった。ザンザスは唇を塞いだまま。その甘くて丸いものは歯に当たりながら、私の口内に。どうやら私は飴を貰ったらしい。

「菓子はやっただろう。悪戯は許さん。だがお前は菓子を持っていない」

唇を離すと、あくまでもザンザスは真面目な顔をする。彼の言わんとしていることが分かり、一瞬ぽかんとした後で笑ってしまった。ザンザスは笑い事じゃねえと言う。そうか、そうかそうか。

「うふふ」
「なんだ」

何でもない。ただ、幸せと感じただけだ。



(2010/12/20)
ハロウィン限定で公開していた拍手文でした。


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