プリンセスとイージスの盾
□退屈と出会い
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「―…暇だわ。」
ポツリ…と小さく呟く少女
まだ顔立ちなどに幼さやあどけなさを感じるが、その姿たるや、絶世の美女とも言える
そう…この少女こそ、リー国の姫君…リナリー・リーであった
「本当に…暇。」
もう一度、浅く溜め息をつくリナリー
「…そんな台詞は耳にタコが出来るくらい聞きましたよ、姫」
冷淡に…というか呆れ気味な感じで溜め息を返すのは黒い長髪を後ろで結った青年…神田ユウであった
「えぇ、知ってるわ。だって耳にタコが出来るくらい『聞かせた』もの」
どこか虚ろに窓から城下を眺めながら、返された溜め息をさらに返した
「…………左様ですか」
諦めたのか、がしがしと頭を掻きながら無言に戻る神田であった
そう…
我らがプリンセスは…
『退屈』していた
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