遊戯王5D's

□Rainy Day Embrace
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ザー…と、小さくはない雨粒が降り続けるなか、アキは傘も差さずに歩いていた



否、傘を持っていなかった、というほうがこの場では正しかった




「……最悪」



ぽつりと呟いた愚痴も、雨の中に消える




今朝の天気予報では、降水確率は10%にも満たなかったはず


ならば傘など荷物にしかならないだろう、とアキは高を括っていつも通り登校した


にも関わらず、この仕打ちである。現にアキ以外にも、周りを見渡すとずぶ濡れになりながら駆け出す生徒が沢山いた



よし○み仕事しろ、とかなんとか周りから聞こえた気がしたが雨の音に掻き消された




しかしアキは、どのみち濡れるのだからもはや慌てるまでもないと諦めてとぼとぼと歩いていた




「(…気持ち悪い)」




濡れて肌に纏わり付く制服が、張り付く髪が、鬱屈とした気分を更に沈ませた




「…帰ったらシャワー浴びなきゃ」




そんなことを考えていると、不意に後ろから声をかけられた


雨の音でよく聞こえない。アキはけだるそうに、後ろを振り返る





「……アキ?」


「…えっ……遊星…?」




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