小さな青春
□*小さな青春*第3弾
26ページ/104ページ
・
・
・
・
・
「何も無いな〜手掛かり」
「は〜、つまんないのー」
何だよ、一番張り切ってた二人(会長&ネコ科動物)が一番先に飽きてんじゃん。
ま、初めからこうなる事は大体予想ついてたけどさ。
「んー仕方ない!
下駄箱は十分調べたから、ここからは皆で手分けして校内を見回って手掛かりを探すのだ!」
会長は自分で言って自分でオーと手を突き上げているが、一緒になってオーと叫んでいるのはネコ科動物だけだ。
「では・・・散!!」
会長の言う通りに散って行ったのは、会長とネコ科動物だけだ。
「本当にまだやるんですか?」
「仕方ないだろうな。
椎名がやる気になってるし。
あー─でも別に面倒なら君らはもう帰ってもいいよ」
えー!?それなら帰りたい…けど、十和先輩はまだやるみたいだし。
なら…俺もまだ帰るわけには─
「それじゃ、あたし帰ります」
ってオイーー!!
初野ォォォ!!
お前という奴は何て正直なんだ!
おいおい、スクバ背負うなよ!
靴履くなよ!
ケータイ開くなよ!
鏡見るなよ!
スッゲー帰る気マンマンじゃねーかァァァ!
「初野!お前よく帰れるな!凄い精神だな」
「はァ?帰っていいって言われたじゃん。
文句あんの?ねぇ?」
「ある!!」
「まぁまぁ凍矢君、俺がいいって言ったんだから。
それじゃね、初野さん」
「はーい。すみません、あたし行かなきゃいけないとこがあるんで…─
それじゃ」
十和先輩には丁寧にお辞儀するのに、俺には礼ではなく一瞥をくれる初野。
今回の睨み合いは、早々に背中を向けて去って行った初野の負けだ!