小さな青春
□*小さな青春*第4弾
42ページ/225ページ
「お疲れ、山本」
勇気と玲夜のやりとりの横で、美月は呆然とする山本に向けて軽い挨拶を交わす。
すると、不思議なことに山本は恥ずかしそうに目を逸らし、組んでいた腕を解き何やらモジモジとし出した。
「お疲れ様……。あの、昨日はありがとうね。
凍矢君…」
「ああ、別に」
変わらず恥ずかしそうな山本とは対照的に、美月は至って平然としている。
「とにかくお前も本物のアン●ンマンを見習って自分の身を犠牲にする事を覚えろ」
「テメェが言うな!!
俺ッ様を無理矢理、学級委員にさせた一人だろうが!!
テメェらが悪ィんだよ!
つうか俺はアン●ンマンの偽者でも、海賊版でもねぇよボケ!!」
・
・
・
・
・
土曜日──
家の前で自慢のマウンテンバイクに跨がり、青空を見上げた彼は深く溜息をついた。