小さな青春
□*小さな青春*第6弾
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「東!
君って人は、本当にどうして…こう…学級委員の仕事をサボり過ぎ!
学級委員を何だと思ってるのよ!」
廊下で、山本元が勇気に説教している。
というより…勇気も言い返すので口喧嘩か…
「るッせぇんだよ!
俺はァ、ハナっから学級委員なんつー下らねー事する気なかったっつってんだろ何回も!
わかんねぇのかよ、頭が堅ぇなァ!!」
「な……な…何よ!!
経緯はどうあれ学級委員として選ばれたからにはしっかりと責務を果たすべきでしょ!
どうして君にはそういう責任感が欠けてるの?!
─本当に君って……」
勇気にさらに何かを言いかけたその時、向こうから美月が歩いてくるのを見つけて、山本元は急に大人しくなった。
「…本当に、君は……。
あの…しっかりと…やりなさい…? ね…?」
「何急に静かになってんだよテメェは!
気持ち悪ィんだよ」
「き、気持ち悪いって─」
今度こそ強く言い返そうとした山本だったが…
美月が、さらに近づいて来たので、またも小さくなってモジモジしながら、
「…気持ち悪いなんて…失礼しちゃうわ……。
こ、言葉の使い方に…気をつけてくださいね……」
と小さい声で言った。
「あ…山本、おはよう」
「あら─おはよう、凍矢君……」
二人とも、挨拶を交わしながらも恥ずかしそうに瞬きした。
「あ…アズマンパン!
おまえっ…山本に失礼なこと、言ってないだろうな?!」
美月は、少しばかり顔を赤くしながら、急に勇気にフッた。
完全に照れ隠しである…
「ア゙? 生意気言ってんなよ?」
「痛ッ…!」
「な! 東!
どうして凍矢君を叩いたの!?
彼は何もしてないのに」
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「東って、暴力的ね──」
「はは……まぁ、あれがアズマンパンだから」
勇気が去ってから山本が複雑な表情で言った言葉に、美月は苦笑いした。
それを横目に見た山本は、少し照れて顔を背けると、
「あの…東が…乱暴な事をしたら私に言って──
ちゃんと私から注意するから─」
「いや、むしろ逆!
山本のほうが勇気に迷惑かけられてるだろ!?
だから…ムカついたら、いつでもグチ聞くよ──」
結局、互いに照れてその後の会話はなかった。