小さな青春
□*小さな青春*第6弾
53ページ/80ページ
「おーし、そんじゃあ各班、新しいお友だちとの親睦を深めろー。
今日のホームルームは新しい班員との親睦会だ。
(んで、俺は寝る)」
ダルそうに教卓に頬杖をついて言う木賀先の言葉に、美月は大いにガックリした。
勿論、この班の面子と親睦を深める気など更々なかったからだ。
「え、どっしろっての?」
既に目を閉じて仮眠体勢の担任を見て井坂が言う。
「やろうぜやろうぜ、合コ・・・自己紹介ゲーム!!
親睦深めちゃおうぜーっ」
やたらとテンションの高い下心全開の倉見を、一班女子三人はガン無視すると決め込んだようだ。
ズーンと落ち込んだ様子の倉見だったが、ふと未来が「あ、」と呟き顔を上げた。
そして、美月に目を向けた未来に、美月は嫌な予感を覚えた。
「いいんじゃん。やろうよ、自己紹介ゲーム───」
希望と下心に満ち満ちた表情の倉見と違って、美月は不安を隠せないでいた。
「聞かせなさいよ、ミツキ。アンタがヒナをどう思ってるのか。ちゃーんとね!」
予感は的中した。
「ほう、面白い」
椎名の不適な笑みにまた、美月は絶望を覚えた。