小さな青春
□*小さな青春*第2弾
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第17話
□入学式□
「………で…?」
目の前で、俺を見下ろす氷のように冷たい瞳は、勿論御門先輩のもの。
「で…?って言われても…。
今説明した通り…」
「…コナン君も驚きの…馬鹿馬鹿しい言い訳ね…」
御門先輩から“コナン”というワードが飛び出すなんて!
いやいや、今はそんな事に驚いている暇はない。
「言い訳じゃないですって!ホントに!」
信じて貰おうと必死な俺だけど、氷のように冷たい御門先輩の瞳は変わらない。
何故、こんな状況に陥っているのか。
答は簡単!
藍沢さんと別れて、俺が生徒会室に到着したのが予定より7分遅かったからだ!
…本当なのに…藍沢さんとの出来事は御門先輩に信じて貰えない。
「いいだろ御門。
その話、本当だったなら凍矢君は生徒会の役員として、立派な事を…─」
「“本当だったなら”…ね…」
うぅ…十和先輩は信じてくれてるのに…。
「…この事を許せば新人が…調子に乗るわよ…?」
「だから、凍矢君は嘘を言ってるわけじゃなくて」
「…あら…随分と…肩を持つのね…」
あぁ、俺を巡って争いが…!
「…入学式の日に遅刻だなんて…大物ぶりも良いとこ…─」
ダダダダダダッッッ
「すみませーーん!!
遅刻しましたーー!!」