小さな青春

□*小さな青春*第2弾
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第19話
□狙われた春夏!?□





教室─



入学式を終え、休み時間中の2−3教室。

窓側から2列目・前から2番目の席で俺は頬杖をつき、斜め右前に集まった男子集団の会話を眺めている。



入学式は悲しい事に無事終了した。
どうせなら事件の一つでも起きて、生徒会としてかっこよく活躍したいなーとか思っていた俺は、不謹慎なのだろうか。

おまけに、春夏の入学式って事で、俺の方がやけに緊張してしまって…─春夏の晴れ姿をちゃんと見ることが出来なかった。
家に帰ったら、母さんにビデオを見せて貰おう。




「この子はどーだ!」

浮かれ気味の倉見が机に何かを叩きつけると、周りの男子から「オー!」という歓声が上がる。


「新入生はレベル高ぇなぁ!」

男子の一人が嬉しそうに叫ぶ。

はぁ…どうやら、奴等は新入生の女子の品定めでもしているらしい。


「“は”って何よ“は”ってぇ!
私らじゃ満足出来ないっての!?」

不機嫌そうに男子に向かって怒鳴る井坂だが、自身も男子の会話にちゃっかり混ざっている。
というか、結構他の女子も混ざっている。


「少なくとも、新入生達には可愛いげがある」

「ンだってぇ!私等には無いっての!?」

「ほらすぐ怒るー」





「さぁお次は〜!」

倉見が振り翳した右手には、写真が握られている。
それを机にバンッと置くと、周りの連中が注目する。

成程、新入生の写真を見ているのか。

しかし、どうやってそんな写真を…?


「盗撮しやがったんだ」

解説ありがとう椎名妹。

………

どうしようもない奴だな倉見は………!
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