小さな青春
□*小さな青春*第2弾
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第11話
□16歳の考え事□
「ね〜ね〜?聞いてるのミツキ〜?」
うわっ!
ヒナの顔がアップで!
「近いよ!」
「ごめん。だってぼーっとしてたよ?」
まぁ…考え事に浸ってたからね。
今は昼休み。
此処は学校の食堂。
体育館と同じかそれ以上に大きい大食堂で、長テーブルと丸椅子が数え切れない程並ぶ。
食堂には売店もあって、売店で昼食を買う人がいれば、弁当を持参する人もいる。
二・三年生の殆どがこの食堂で昼食を摂る為、かなり騒がしい。
「けっ、一丁前に悩み事なんかしてんじゃねぇよ」
俺の隣に座って焼きそばパンを頬張りながら、ツンツン突っ立った髪の“誰もが認めない学級委員・アズマンパン”こと、東勇気(あずま ゆうき)が言った。
「バカにしたな…勇気、昨日の昼飯の分、今奢れよ!」
売店で買ったあんパンを口に運びながら、勇気に向かって言う。
「・・・あァ?言ったろーが、テメェに奢る気なんかねぇし、奢る金もねぇんだよ!」
ひぃ…!
勇気からドス黒いオーラが……怖いぞアズマンパンー!
「昨日奢ったせいで今日はカレーうどん我慢して焼きそばパン食ってんだよ!」