小さな青春
□*小さな青春*第3弾
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第22話
□恋しちゃったんです□
「犯人いませんか〜」
勿論返事はない。
残り少ない昼休みの時間。
誰も居ない下駄箱付近を見回りする俺。
犯人は、直接下駄箱に偽ラブレターを入れるしかない。
その為には人目の少ない時を狙う筈だ。
そう思って見回りに来て見たが…─
やはり一筋縄ではいかんかー。
あーあ、どっかに怪しい奴居ないかなー。
下駄箱の回りをブラブラする俺の背後に怪しい影が迫っている事に、俺は気が付いていなかった。
椎名妹や姉貴と戦う俺にとって、背後を取られる=死だと言うのに…迂濶だった。
スゥー──
と、足音を立てずに急激に迫る影。
その気配に俺が気付き、振り向いた時には…既に遅し。
ドスッ
腹部に重い衝撃…
うっ…と思わず苦しみの声を漏らす俺。
偽ラブレターの犯人か?
腹部への衝撃…まさか、刺された…?
って、人だし…何者かの頭が俺の腹の辺りで動いている。
「な、何だ…誰だ!」
俺の腹で頭を動かす謎の影は、不適に笑う─