小さな青春
□*小さな青春*第3弾
45ページ/104ページ
第24話
□“所詮友達”はツラいよ□
そんなわけで、友達が増えました──
あの後、顔を真っ赤して嬉しいやら困ったのやら悲しいやら、分からない表情で目を見開いた藍沢さんは暫くしてから両手を組み…
「あ、あなたがどうしてもって言うなら、友達になってあげなくもないけど!?」
と、やたら大きい声で言った。
はっきり言って、やはり生意気だから止めようかとも思った。
でも、俺が言い出したんだし、瀬和さんに何されるか分からなかったから、結局藍沢さんとは友好関係を結んだわけである。
さすがに、
「勘違いしないでよ!?
あなたが言うから友達になってあげるんだからね!いい!?」
とまで言われた時は本当に止めようかと思ったのだが…
顔を赤らめて恥ずかしそうに微笑む彼女の後ろ姿と、別れ際に小さく手を振ってくれた可愛さに、不覚にも癒されてしまった俺である──
「あぁぁもう、どうして俺はこうもお人好しなんだァァ!!
自分の善意がいつか身を滅ぼすかも知れない!」
頭を抱えて要らぬ心配をする俺の耳に、携帯のバイブ音が届く。
とりあえず唸るのを止めてベッドへ上がり、帰るなり放っておいた携帯を手に取る。
メールじゃない、電話だ。
普段、メールはあまり使わない電話派の俺だが、大のメール好きで知られるヒナから電話が来るのには驚く。
ディスプレイで光る
『ヒナ』
の文字と震える携帯が、早く出ろ!と俺に告げているようだ──