小さな青春

□*小さな青春*第3弾
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第27話
□嫉妬□





「は?」

「だーかーらー!!
ラブレターだってば!」


朝の職員室──

職場でありながら寝ぼけ眼の教師に一人の女生徒が声を荒げている。


その女生徒が男性教師や、職員室に来た男子生徒の注目を一身に浴びているのは、声を張り上げているせいではない。

その図抜けて可愛い容姿故だ。



女生徒の名前は─

川井鈴(かわい すず)

初芽高校に通う、美月やヒナと同じく2年3組の生徒である。


彼女の名を知らない生徒はいない。
何故なら、彼女は学園のアイドルと呼べる存在であるからだ。

髪型がポニーテールで、標準体型ということ以外に説明するとするなら…

彼女はおよそ人間が完璧と思う容姿を備えているだろう。

彼女が街を歩いて、振り向かない男はいない。
そんな少女だ。


しかし、その実態は──


「ウチがラブレター貰ったんだよ!?
木賀先は何とも思わない!?」


只のオタク系美少女ではない。

本気で自分の担任に恋する──

“超一直線爆弾美少女”なのだ!!



「別に。何とも」

男なら誰もが振り向く筈の川井に背を向けたまま、木賀先はそう答えると缶コーヒーを一口飲み込む。
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