小さな青春

□*小さな青春*第3弾
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第29話
□バスケ部始動□





「即ち、俺達バスケ部は今年…伝説を作るのだ!」


話長ぇ・・・。



部活だ!
いよいよだ!
待ちに待ったバスケ部の始動!!

バスケットボールに触れたくて疼く体だが、キャプテンの挨拶が校長先生以上に長い・・・。



体育館に整列したバスケ部員達の前で、堂々と腕を組み長い長〜〜い抱負を語る男──

ミスター・バスケ…ではなく“ミスター・ひげ剃れよ”こと木薮(きやぶ)キャプテン。

男、暑苦しい男。
キャプテンを顕すならばそんなところか。



「キャプテンも相変わらず話長ェーなァ」

欠伸をしながら勇気がそう言った。
─キャプテンのへ悪口がバレてウサギ跳びさせられればいいのに─


「相変わらず──まぁ…つまりは、話が長い方がキャプテンは普通」


静かな口調で知的な事を言うのは内海健也(うつみ けんや)。
長身だけど体が引き締まっていて、モデル体型と言うのだろうか。

黒い猫っ毛に切れ長の目が特徴である。
─目付きは勇気ほど悪くない─


「ま、確かにな。
でもよォ、もう10分位は喋り続けてンぜ」

「それを言うなら向こうもそうだし」

舌打ちする勇気に健也は男子バスケ部の横で整列している女子バスケ部の方を指差した。


「つぅまぁりぃ!!
今年は本気で全国制覇を狙えるメンバー揃ってると思うんだよね!!
練習次第では…──」


どうやら、女バスの方もキャプテンが長々と抱負を語ってるらしい。

列の中で椎名は頭をコクコクさせている。

ヒナは・・・ん?
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