小さな青春

□*小さな青春*第4弾
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第34話
□ミナの三次元恋模様□





「ムフッ!ムッフッフ…」


これは、決して豊満な腹回りの眼鏡男子の吐く息の音ではない──


これは、とっても小さなプリティ女子高生が書店から出て来た際の怪しい笑い声だ。



「新刊買ったぞ〜!
ムフフ…やべぇ、やべぇっスよ…!
何この新刊、カバー絵とかマジ超ハンパないってカンジじゃないっスか、ねぇ!?
ホント、いいモン描きますわな、この作者は!
ムフフフフ」


とりあえず言っておこう。
彼女は一人だ。
友人に話し掛けているわけではない。


ツインテールを揺らしながら、大きな袋を抱き抱えて上機嫌にスキップする“皆川海波(みながわ みなみ)”は、すれ違う人々にクスクス笑われていることに気付いていない。


彼女、皆川海波─通称・ミナは、初芽高校に通う現役女子高生。

しかし、そうは見えない…むしろ小学生のような容姿と身長で度々子ども扱いされ、ロリロリ言われる彼女─


そんな彼女の楽しみは、ほぼ毎週欠かさず休日に書店へ足を運んでは、イケない甘〜い雑誌や単行本・同人誌を買うこと。
(時々遠出してアニメグッズも買っている模様)


勿論、勇気がサイクリングに行っているこの土曜日も、こうして行き着けの書店にやって来て、計2千円余りの買物をし終えたところだ──
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