小さな青春

□*小さな青春*第4弾
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第35話
□恵栄学院高校バスケ部□





大きすぎる体育館で、大きすぎる声が飛び交い、大きすぎる声援が響いている──




何かの大会が行われているわけではない。


これが普通、
これがいつも通り、
これが見慣れた光景。




「貴様ら、真剣にやらんか!!
その程度の気持ちで全国制覇が出来ると思っとるのか!!」


白髪の生え始めた、風格漂う監督の罵声が、他の音や声に負けないくらい大きく館内に響いた──




“恵栄学院高校”


初芽高校と同じ県下の、スポーツエリート学校─

野球…水泳…柔道…剣道…卓球…テニス…

いくつもの運動部で全国大会へ生徒達を出場させている、名だたる全国の高校の中でも一、二を争う実績を誇る強豪校──


そして…数ある有力運動部の中でも全国的に最も有名なのが…

男子・女子
バスケットボール部

である。


男子・女子共に、幾度となく、夏・秋・冬の全国大会の覇者となっている──

男子はここ数年、冬・秋・冬・秋・冬…と王座を勝ち得ており、今年…─“忘れ物”と言われる、夏の王座を奪取すべく、日々厳しい練習に取り組んでいるのである───
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