小さな青春
□*小さな青春*第6弾
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第54話
□平成のエぃジソン?□
「ほほゥ。中々オモシロい症状だネ」
半壊した家を二人で眺めながら、孫エイジは気楽な口調でそう言う。
たった今、青春から美月の誤認症状の話を聞いたところだ。
「頼むよ、エイジのジイさん!
“バカな医者”には任せてられないんだよ。
ジイさんが頼りなんだ」
お前こそ真のバカである青春が言う。
「わしゃ昔っからキミの頼みにゃ弱いからネ〜…。
まぁ、わしゃの力が必要ならば必要以上の働きで期待に応えル。
ソレがわしゃのポリシィじゃヨ。
任せなさイ」
丸メガネに爆発白髪頭の孫エイジは、ホッホッと笑いながら、半壊した家に向かった。
青春はそれを不思議そうな顔で見つめた。
「どうすんの?」
「ナーニ。発明の失敗で家が壊れることなんか昔からしょっちゅうのコトじゃよネ。
実験室は2つ有って1つは地下……上が壊れてもソッチは無事じゃヨ。
早速、ミツキクンの症状を治す薬の発明を…開始するネ」
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「出来たネ!
コレこそ、誤認症状治療薬…ソノ名も
『ゴニン na☆ALL』」
ものの5分位で薬を発明した孫エイジは誇らしげに言う。
青春はやや呆れ気味。
「ネーミングセンスないわー……
わかりやすいけど。ものすごくそのまんまな名前だけど」
「じゃろゥ?東って感じじゃろゥ?」
「…“東”……?
…あぁ、そのまんまってことね。
(メンドクセっ)」
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