Maine 2
□chapter1
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「光と闇は、常に隣り合わせにある。だが、それが互いに一緒になることは…、出来ない」
前に見た夢の中で、誰かがそんな事を言っていた。
何度繰り返し考えてみても、俺にはその言葉の意図が理解できない。
その言葉を現実世界の何処で聞いたのか…、いくら記憶を辿っても思い出せなかった。
絶対に、何処かで聞いたことのある様な気がするのに…。
「Light And Dark」
「…び…、ちょっとラビ!聞いてるんですか?」
すぐ向かいから聞こえた声に、俺はハッと我に返った。
顔を上げ前を見ると、不満そうな顔をしたアレンが俺を見ていた。
「ああ、悪い!全然聞いてなかったさ…」
慌てて俺は謝ると、苦々しく笑った。
「もう、最近ぼーっとしてること多いですよ?人の話だってろくに聞かないで…」
俺への批判を述べてから、アレンはそれでも心配して聞いてくれる。
「もしかして、どこか体の調子でも悪いんですか?…じゃなかったら、“恋”とか」
最後の方は嫌にニヤニヤしながら言われ、対応に困る。
反対に、俺はアレンへ質問を投げかけた。
「…恋で体調が悪くなったりするんさ?」
その問いに、アレンはあごに手を当て少し考えてから言った。
「うーん…、簡単にいえば熱の初期症状みたいな感じじゃないでしょうか。頭がぼーっとして働かなくなったり、体が火照ったり…」
アレンはそこまで言うと、これ以上は分からないという風に苦笑した。
「まあ、以前師匠に少し聞いただけなんで、あまり詳しくは知らないんですが…」
「…いや、それでも少しタメになったさ」
じゃああなたの場合はどっちですか?と好奇心で聞かれて、俺は答える。