Maine 2

□chapter2
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  とある街にて――――



「ふぅ……」



人通りの少ない暗い路地で、俺は静かに息を吐いた。



唇から漏れ出た白い煙が、指に挟んだ煙草の煙と共にゆらゆらと空へ溶けるように消えていく。



何気なくその光景を見ていると、ふいにため息が出た。



「……なんで俺は、こんなとこに突っ立ってんだ……」



もう何時間も、俺はここで一人煙草をふかしていた。



ここに来れば、またあいつに逢えるかもしれないという微かな可能性に賭けて。



……なんて甘い考えだと、俺は苦笑する。



こんな何一つ根拠など無い偶然に、時間を費やすのかと。



でも、もしもあいつに逢えたなら、俺の今までの時間は報われる。



何しろこんなことでもしなきゃ、他に逢えるすべが無いのだ。



いっそのこと、教団(あそこ)まで行こうかとも思った。



だが、そんなことをしてはあいつにとっても迷惑だろうと思いとどまった。



と……、これ程まで相手のことを気遣うなんて自分らしくもないだろうと、俺はさっきよりも苦々しく笑った。

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