Maine 2

□本心
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『俺に逢いたくなったら、この部屋に来い』





……そう言われたから、言うとおりにしたまでだ。








「本心」








「……よいしょっと」



三階にある彼の部屋の窓を開けて、部屋の中に入る。



俺が来ることを見越してか、窓のカギは開いていた。



堂々と玄関から入るのも癪(しゃく)なので、この間教団に帰る時に使ったベッドのある部屋の窓から入ることにしたのだ。



「……、留守……か……?」



部屋の中に彼の姿はなく、静かだった。



もしかしたら、別の部屋に居るのかもしれない。



「…………」



人の部屋の中を勝手に歩き回る気にはなれず、俺はとりあえずベッドに腰掛ける。



男の俺一人が寝ても少しスペースが余る大きさだ。



改めて部屋をぐるりと見回してみる。



家具と呼べるのはこのベッドとその脇にある椅子くらいだが、部屋自体は広めだ。



何十冊も入る大きな本棚を置いても、まだ余裕だろう。

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