Maine 2

□ 「Valentine's Day Is Give You」
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バレンタイン・ティキ×ラビ小説  「Valentine's Day Is Give You」









まだ雪の降る 2月14日 



その日の午後、俺が部屋でくつろいでいると、玄関の戸をノックする音が聞こえた。



「……??」



誰だろう。そう思いながら、俺は玄関へと向かう。



カチャリと音をさせながら扉を開けると―――



「よっ!元気してたさー?」



「……!ラビ!なんだ、お前だったのか」



俺の言葉を悪い方に捉え違えたのか、途端にラビは不満そうに顔をしかめた。



「なんだ、とは何さ。俺はお呼びじゃなかったってか?」



「違う違う、いつもは玄関からじゃなくて窓から入って来てたからさ。ラビだとは思わなかったんだ」



苦笑しながら言うと、ラビは「ああ、確かに」と納得したようにうなずいた。



気を取り直して俺は微笑みながら訪ねる。



「で、今日は何だ?俺の顔でも見たくなったのか?」



「ああ、まあそれもあるけど、今日はれっきとした用事があって来たんさ」



「用事?」



俺が首をかしげていると、その間にラビはさっさと部屋に上がり込んでいく。



ラビに続いてリビングに向かいながら“用事”という言葉の意味を考える。



いつもよりも妙に楽しげなラビの様子も気になった。



何か良いことでもあったのだろうか。



「ラビ、用事って―――」



「ところでティキ、今日は何の日か知ってるさ?」



部屋に入ったところで問いかけた俺の声は、ラビの問いかけに遮られた。



いきなりなんだ、と思いつつ聞き返す。



「今日?なんかあったっけ…」



「えー、まさか分かんないって言わないよな?」



「いや…、ちょっと待てよ?」



ラビに待ったをかけてから、俺は問いの答えを考える。



確か今日は2月14日だったか…?



2月14日………、…………。



……んん? そういえば今日って……。



「ああ、バレンタインデーか?」



「そうそう!さすがに知ってるよな」



「知ってるが…、それがどうした?」



何やらニコニコと笑みを零しているラビに俺は再び問う。



その直後にはもう、なんとなくその答えが分かったが。
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