Maine 2
□ 「Valentine's Day Is Give You」
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「ラビ、もしかして…」
「……ほんとは女から男にあげる日なんだけど……///」
そう言うとラビは、隠すように背中にまわしていた両手を俺の方に差し出した。
そこには丁度その手に収まるくらいの小さな包みがチョコンとのっかっていた。
「……コレ、ティキにあげるさ///」
「え、マジで……?!」
信じられない思いで聞くと、赤い顔をしたラビがうなずく。
俺はとりあえずその包みをそっと受け取ると、まじまじと眺めた。
「……ほんとに、もらっていいのか?」
そう言った俺の声は、自分でも分かるほど驚いたような声音をしていた。
ラビはそれにもコクリとうなずいた、上で俺から目を逸らして言う。
「別に、特別な意味はないからな!ただ、お前がもし一つももらえてなかったらかわいそうだなと思っただけさっ……!///」
何故か慌てたように弁解するラビに、俺は苦笑する。
「分かった分かった。……でも、ありがとな。すげぇ嬉しい」
俺が本音をそのまま口にすると、ラビの顔がもっと赤くなった。
「……ま、まぁ……喜んでくれて良かったけどさ……///」
「そんなに照れるなよ(笑)顔、真っ赤でリンゴみたいだぞ」
からかいながら俺はその髪をくしゃくしゃと撫でた。
途端にラビは、怒ったように俺を見上げてきた。
「余計なお世話さっ!どうせ一つももらえてないくせに!///」
「ん、いやまぁ……もらうことにはもらったんだけど」
俺が言うと、ラビが驚いたような顔をした。
……そんなに俺はかわいそうな奴に見えていたのだろうか。
「いくつ?」
「うーん、数えてないから分かんねぇな」
「何処にあるんさ?」
興味ありげに聞いてくるラビ。
「冷蔵庫に全部入れてある」
「それ、見たい」
ストレートな発言に、俺は苦笑しながら返す。
「おいおい、まさかこっそり食うつもりじゃねぇだろうな?」
「違うさ!ただ見てみたいだけ」
ラビは心外だというように俺に言うと、部屋から出るつもりなのか戸を開けた。
「冷蔵庫にあるんだな?俺ちょっと行ってくるさ」
「え、おいラビ!」
俺が引き止める前に、ラビは部屋を出て行ってしまった。
「……ったく、なんだってそんなもん見たがるんだか…」
ため息混じりに呟いて、俺はラビが戻ってくるのを待っていた。