Maine 2

□story 1
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……息が……苦しい……。……なんだか……体がすごく重いさ……――――――



酷いだるさを感じながら、ラビはゆっくりと目を開けた。



熱を持った身体。唯一、額だけが濡れたタオルのおかげでひんやりと冷たい。



普段なら不快に思うかもしれない冷たさも、今のラビには心地良いものだった。



……俺、どうしちゃったんさ……?――――――



自分のおかされている状況を考えようとするも、上手く頭が働かない。



この部屋に来て、ティキに逢えた所までは記憶にあるが、それからのことは何も覚えていなかった。



そうだ、あいつ……ティキは……?――――――



そう思い首を動かし部屋の中を見渡すが、そこに彼の姿は無いようだった。



耳を澄ましてみても、自分が苦しげに呼吸する音以外何も聞こえてこない。



何も覚えていないということは、自分をこのベットに寝かせ、額にタオルをのせてくれたのは彼だろう。



……他の部屋に居るのかもしれない……――――――



漠然とそう考えてラビは全身に力を込め、起き上がろうとした。



一度失敗した後、寝返りを打ってからなんとか上半身を起こす。



「はあっ……」



一旦大きく息を吐いてから、今度は毛布から抜け出してベットに座った状態になった。



そして、地面に足を付けて壁に手を付きながらもようやく立ち上がることが出来た。



「んっ……くっ……」



起き上がるのさえも辛いのに、無茶なことをしているせいか頭がクラクラする。



それでもラビは、重い体を引きずるように戸の方へと向かった。



キィ、と音を立てて戸を開くと、廊下のヒンヤリとした空気に包まれる。



背筋に酷い寒気を感じながら、ラビは壁伝いに隣の部屋へと歩を進めた。



部屋の戸を開け、中を確認するが誰も居ない。



ここじゃない……みたいさ……――――――



するとラビは、すぐに別の部屋に向かって歩き出した。



こんな時に自分は何をやっているんだ、と心の何処かで思いながらも、ティキの姿を探すのをやめようとしなかった。



本当は、経っていられない位辛いくせに……。

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