Maine 2
□story 3
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――――――翌朝
白い粉雪が羽のようにふわふわと地上に降り注ぐまだ肌寒い時間。
ラビはゆっくりと心地良い眠りから目を覚ました。
頭がぼーっとしていて、一瞬自分が何処に居るのか分からなかった。
それでも、すぐに昨日のことを思い出して、納得したようにため息をつく。
……俺、熱出してぶっ倒れたんだよな……――――――
今更ながら、何をやっているんだと自分自身に呆れそうになる。
せっかく久しぶりに彼へ逢いにやって来たというのに、結局迷惑を掛けに来ただけではないか。
第一昨日、自分は一日中熱にうなされていただけだったし……。
でも……、ティキが傍に居てくれただけましかもな……――――――
目覚めてみると、昨日よりは大分体も楽に動かせるようになっていた。
呼吸も落ち着き、咳もあまり出なくなったからか息がしやすい気がする。
昨日はあんなに苦しかったのに、一晩寝ただけで熱はかなり下がったようだ。
「けほん、………はぁ」
複雑に思いながらも、ラビはゆっくりと上半身を起こした。
窓を見ると、外では真っ白な雪が空中をチラチラと踊るように舞っているのが見えた。
「今日も雪かぁ……」
ラビはため息交じりに呟いて苦笑した。
と、左隣にふと気配を感じて目を移す。
そこには、ベットにのせた自分の両腕に顔を埋めて眠っているティキの姿があった。
きっと、ラビが眠るのを見届けたあと、そのままそこで眠ってしまったのだろう。
「………………」
ラビは少しの間黙ってその寝顔を見つめた後、自分が羽織っている毛布を一枚剥いで、起こさないようにそっとティキの肩に掛けた。