Maine 2
□A Wish
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ずっとこんな時が続けばいいと思っていた。
それ程に 彼と過ごす時間は楽しくて落ち着けたから。
いつか逢えなくなる時が来たとしても、
彼に対する自分のこの想いはきっと変わらない。
今更だけど、ハッキリと分かったんだ。
俺は、貴方のことが好き――――――
「 A Wish 」
まだ真っ暗な部屋の中、ティキはふと眠りから目覚めた。
目を開けるとすぐに、一緒に隣で寝ていたはずのラビの姿がないことに気が付き一人首をかしげた。
闇に眼を慣らし、窓から入ってくる微かな光を利用して時計を見るとまだ真夜中だ。
こんな時間に何処へ行ったんだ……?――――――
疑問に思いながらも、ベッドから抜け出して部屋を出る。
何気なく隣の部屋を覗くと、ラビはそこに居た。
窓辺に立って、黙って外を眺めている。
開け放たれた窓からは、春のまだ肌寒い風が流れ込んできていた。
「……何やってんだ、こんな所で」
ティキが背後からそっと声をかけると、驚いた顔でラビが振り向いた。
「あ、ティキ!……悪い、起こしちゃったさ……?」
ラビが不安げな声で尋ねると、そんなことはないとティキは答えた。
「そっか、なら良かった。俺、ちょっと眠れなくてさ」
苦笑しつつ言うと、ラビは窓の外を指さしてティキに説明する。
「さっきからずっと星を見てたんさ。今日は晴れてるから綺麗に見えるんだ」
「へぇ……」 ティキは呟くと、ラビの隣に並んで自分も上を見上げた。
真っ黒な空には雲が一つもなく、満天の星が輝いていた。
「ああ、ほんとだな。こんな街中でも結構綺麗に見えるもんなんだな」
「街灯が無ければ、きっともっと綺麗に見えるんだろうなぁ」
そこでラビは「あ、そうそう」と、何かを思い出したらしく表情を明るくさせた。
「そういえばさっきな!、流れ星を見たんさ!」