Maine 2
□A Wish
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「流れ星?」 聞き返すティキに、楽しげな笑みを顔に浮かべてラビがうなずく。
「そう、それも2回も……!久し振りだったから、なんか感動しちゃったさ」
「そうか……、そりゃあ良かったな」
ラビの笑顔に思わずティキも微笑んで返した。
そして、ふと流れ星にまつわる話を思い出し、ラビに言う。
「流れ星を見た時に願い事をすると必ず叶うって話、知ってるか?」
それを聞いたラビは、途端に何故か目を伏せて落ち着かない様子を見せた。
「あ、ああ……それなら聞いた事あるさ……」
「まあ、有名な話だもんな。実践してみたか?」
ラビの様子を不思議に思いながら、何気なくティキは聞いてみた。
するとラビは、苦笑いを浮かべて素直にうなずいた。
「やるだけ無駄だって分かってるんだけどな。まあ、ダメ元でしてみたさ」
「そうなのか?どんな願いことなんだ?」
その問いに、困ったような照れたような表情を浮かべるラビ。
「……言わなきゃダメさ……?」
「無理にとは言わないけど……、是非聞きたいな」
「………………」
ラビはティキから目を逸らしながら、やがて小さめの声で言った。
「お前と、……ティキと出来るだけ長く、一緒に居られますように、……って」
「……、なんで……そんな願いことを……」
「え……、何でって……それは……///」
そこでラビは顔を赤くしてうつむいた。
ティキが黙って答えを待っていると、しばらくしてから思い切ったようにラビが顔を上げ、ティキの眼を真っ直ぐに見つめて言った。
「お、俺は……っ、……ティキのことが、好………き……だからっ……!!///」
しどろもどろに並べられたその言葉たちを、ラビは顔を真っ赤にして伝えた。
恥ずかしさで彼の顔が見られなくて、思わずぎゅっと目をつむる。
「………………」 ティキはそんなラビを見つめたまま微動だにしない。
静かな部屋の中で、風の吹く音だけを聞きながらラビは彼の反応を待つ。
「……嘘、ではないんだよな……?」
数秒の沈黙の後、呆然としたティキの声が聞こえた。