Maine 2

□chapter 2
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眠りから目覚めると、視界には真っ白な天井が映った。



ラビはしばらく、ぼーっと頭上を眺めていた。



……あれ?俺……、いつの間に寝ちゃってたんだ……?――――――



不思議そうに首をひねりながら、ベッドの上で起き上がる。



「……ん〜、まだ寝足りないさぁ……」



寝ぼけ眼をこすりながら言うと、ラビは大きなあくびを漏らした。



その直後、カチャリと部屋の戸が開く音がして眼を向ける。



「……あ……」



戸の影から覗いた大きな瞳と視線が合った。



じっと見つめていると、小さな自分は不安そうな顔をして戸に体を半分隠した。



「……起こしちゃった……?」



そのまま、小さな声で尋ねてくる。



自分が戸を開けた音で起こしてしまったと勘違いしているらしい。



「いや……、そんなことないさ」



安心させるように笑いかけてみるが、それでも尚そこから動こうとしない。



怒られるとでも思ってんのかなぁ……――――――



ラビは困ったように頬をかいて、その様子を見守っていた。



「そんなとこに突っ立って何してんだ?」



笑みを含んだ声が聞こえたかと思うと、部屋の入口に黒髪の男が姿を現した。



「ティキ」    小さい方のラビが彼を見上げて名前を呼ぶ。



「……こいつ、そっから中に入ろうとしないんさ」



大きい方のラビは、チラリと小さい自分を見てティキに話した。



小さいラビは途端にティキの後ろに隠れて体を小さくした。



「……だって……、だってさ……」



「大丈夫だ。何も怖くなんかないぞ」



ティキは苦笑を零しながらその小さな肩に手を置く。



そして優しく笑うと、促すようにぽんっと背中を叩いた。



「…………」



それに後押しされたのか、小さいラビはやっとティキの陰から出た。

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