Maine 2

□A bookworm
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俺は勉強が大の苦手で、難しい文章や単語の並ぶ本はどう頑張っても読めない。



ラビはそれを理解した上で俺にも読めそうな本を勧めてくれる。



子供でも読めそうな簡単なものが多いが、そこはさすがラビだ。今まで読んだ本の中でつまらなかった作品は一つもない。



幼い頃からたくさんの本を読み、それぞれの内容をちゃんと覚えているのだろう。彼なら、相手に合いそうな本を的確に判断することも可能に違いない。



と……、俺はラビの能力を勝手に自己評価している。



「じゃあ次はそれを貸してもらうな。……いつもありがとな」



「な……っ、何さ急に……」



言葉と共に赤い髪を撫でてやると、ラビは照れて顔を赤くした。



笑いながら「いや、なんでもない」と返して俺は促す。



「中断させて悪かった。読書、続けてくれ」



「え、あ……ああ……」



何処となく戸惑ったように返事をし、それでも読書に戻るラビ。



さて、俺は何をしていようか……――――――



ラビが本を読んでいる時は、俺もなるべく静かに過ごす。読書中の人の傍で騒がしくすることは禁断だ。それを理解したのも、ラビと出逢ってからだった。



読書中の人の隣で過ごす場合は、自分も本を読む。この行動が、俺には一番妥当な考えに思えた。



とりあえず本棚に並んでいる作品の中から適当に一冊を抜き取って、二人掛けのソファのラビの隣りに座る。



なるべく難易度の低そうなものを選んだつもりだが、内容はどうだろう。



途中途中、出てくる単語の意味に悩ませられながらも、しばらくは静まり返った部屋の中にページをめくる音だけが響いていた。



「………、………?」



どれ位時間が経っただろうか。俺はふと、隣から視線を感じた。



じっと見つめられているという程ではないが、時々ちらちらと見られている気がする。



この部屋には今、俺とラビしか居ない。



ということは、視線の主も一人しか考えられない訳で。



「…………?」



「…………!」

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