Maine 2

□A bookworm
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ちらりと隣りに視線をやると、丁度目が合った。



が、何故か慌てた様子でぱっと逸らされてしまった。



……??なんだ……?――――――



疑問に思って、再び本に落とされたその目をじっと見つめる。



「…………っ」



黙ったまま見つめていると、ラビは途端に落ち着きを無くしソワソワし始めた。



数分の間、そのままの状態が続き……。



「……っな、何見てるんさ……」



膠着した状況に俺が面白さを見出し始めた頃、ラビが横目で俺を見て戸惑ったように尋ねてきた。



その頬は、何処となく赤みを帯びているように見える。



「何って……、ラビを見てるんだけど?」



「いやだから!なんで俺のこと見てるんさっ!!」



「最初に人のことちらちら見てたのは、誰?」



言い返すと、ラビはう゛っと言葉を詰まらせ、目を逸らした。



傍から見れば俺がラビをいじめているように見えるかもしれないが、別にそういうつもりじゃない。



ただ、どうして俺の方に度々視線を向けて来たのか、その理由が知りたかっただけだった。



「……だってティキ、ずっと静かにしてるからさ……」



「………?」



言葉の意味が分からずに首をかしげていると、すぐに詳細が話される。



「俺がここで本読んでる時、ティキはいつも黙って付き合ってくれるけど、……でも……本当にそれで良いのかな……って思ってさ」



ラビはさっきまで読んでいた本をそっと閉じると、話を続けた。



「俺だけ一人で有意義な時間過ごして、……ティキは俺の為に静かにしていてくれる分、ほんとはすごく退屈なんじゃないかって、……ずっと……そう思ってたんさ」



「ラビ………」



さっきのあの視線は、俺が退屈そうにしていないか心配した為に向けられたものだったのだ。



本を読みながら、ラビは隣でいつもそんなことを考えてくれていたのか。



そう思うと、申し訳ないような、少し嬉しいような不思議な気持ちになった。



……ほんと、良く出来た子だな。俺の恋人は――――――



他人を気遣うことが出来て、人を楽しませられて、純粋で………。

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