Maine 2
□A trance
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朝。一人先に目覚めた仔兎は、
微睡む心地良さに誘われて、眠る狼の隣りで――――――
「A trance」
意識がゆっくりと浮上してきた頃、眩しさを感じてラビは重い瞼を開いた。
明るい日の光が、カーテンを通り越して部屋の中を白く照らしていた。
「……ん……、……んぅ……」
らびはまだ眠い目をもう一度閉じた。
さっきまで、何か夢を見ていた気がする。そのせいか、いつもの目覚めよりも尚更眠く感じた。
ん〜………、まだ眠いさぁ………――――――
出来ればもう少し眠りたい所だが、そんな訳にもいかないと自分自身を叱ってなんとか意識を保つ。
そうしていると、起きながら夢を見ているような、不思議な感覚に陥った。
軽く身じろぎをすると、なんとも言えない心地良さを感じた。
……なんかこれ、……すっごく気持ち良い……――――――
体はその快感に変な風に反応し、気がつけば体の一部が妙に熱くなっていた。
半ば無意識にそこに手を伸ばし、下着の上から直に触れる。
「ンッ……、んんっ……」
身も心も溶けるような気持ち良さに、思わず甘い声が漏れた。
そこでラビはやっと、自分がしているのはある意味危険な行為なのだということに気がつく。
まずいさ……っ、このまま布団の中でイッたりしたら……。それに……!――――――
チラリと横目で右隣を見れば、まだ眠っているらしい彼の広い背中がある。
場所が布団の中な上に、すぐ傍に人が居るという状況なのだ。
「ん……、んぅ……っ」
どれだけまずい状態なのか分かっているのに、体は愛撫の要求を強めるばかりだ。
ぼーっとした頭でやめようと思うものの、手が勝手にソコをいじってしまう。
せめて声だけは出すまいと、ラビは必死に唇を噛み締めた。
もうっ……、……我慢出来ない……っ――――――
性欲を止めるのは、なんて難しいことなんだろう。
そんなことを改めて思いながらも、ラビは手を下着の中に忍ばせた。