Maine 2
□A trance
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「……んっ……!んっ、んん………ッ」
精一杯殺してはいるものの、声はどうしても出てしまう。
掴んだ自分自身は、恥ずかしくなる程に蜜でとろとろになっていた。
自慰行為で、こんなに興奮しているのは今が初めてかもしれない。きっとこの状況が、そうさせるのだろう。
「んんっ……!ふ………ぅんっ」
よくすべる自身を握ってこする度に、押さえ切れない声が零れる。
ここが自分の部屋だったら……、己しか居ないベッドの上だったら、どんなに良かっただろう。
ひっきりなしに手を動かしながら、徐々に真っ白になりつつある頭の中でそんなことを考える。
そろそろ快楽が絶頂を迎えようとしていた。布団が汚れるのは時間の問題だが、行為に夢中になっている内にそんなことは忘れていた。
「……ふっ……あっ……ん……ッ」
も………、もう……だめッ………!――――――
思わずぎゅっときつく目を閉じる。
手の動きが早くなり、何も考えられなくなる。
そして、何かが込み上げてくる感じがした。
「……っん、ん―――っ!!」
びくびくっと体を大きく震わせて、ラビはついに熱い欲望を全て吐き出してしまった。
数秒の間、余韻に浸りながら手の内のものが脈打つのを感じていた。
「……はっ……はぁ……っ」
恍惚とした表情で息を整えていると、隣で彼が身じろいだのが分かった。
「………ん………、……ラビ……?」
眠気と不思議さが混じった声で名を呼ぶと、彼はラビの方に眠そうな顔を向けた。
「なんかさっき、変な声出してなかったか……?」
「…………――――――」
ひくり、とラビが身を震わす。
そして、彼の方へ顔を向けると、泣きそうな声で言った。
「……ティキ……ッ、……ごめんさっ」
「…………は…………?」
目に涙を浮かべて謝罪するラビを見つめ、ティキは間の抜けた声を漏らした。
……その後、ティキが対応に追われたということは、言うまでも無い………。
…Fin.
オマケ→