Maine 2

□Trick or Treat…?――仔ラビちゃん編――
1ページ/5ページ





ティキラビ・ハロウィン特別小説




「Trick or Treat…?――仔ラビちゃん編――」








ティキの部屋―――今日は仔ラビとティキがくつろぎ中。(ラビは教団へ帰宅中)



「そういえば、今日10月31日はハロウィーンだな」



「ティキ、ハロウィーン……って、何さ……?」



「仔ラビ、知らないのか?ハロウィーンっていうのは、10月31日にするちょっとしたお祭りのことで、西方の国では仮装した子供たちがお菓子を求めて近所中を回るらしい。Trick or Treat≠チて言いながらな」



「へー……!」



興味津々な子ラビ。ティキは、ちなみにと付け加える。



「こっちの方じゃ、11月5日にやることが多いみたいだけどな。何故か」



「ねぇ、かそうってどんなの?」



子ラビは早くも仮装≠ニいうものが気になる様子だ。意味は子供ながらにちゃんと理解しているらしかった。



「そうだな……。幽霊とか魔法使いとか、本の中に出てくる怪物とか普通の人間らしくない格好をするのが多いと思うな」



「ユーレイ……怪物……、良いなぁ〜!面白そうさっ!」



ソファに座っているティキの膝の上に乗っかって、仔ラビが表情を明るくする。



そして、ティキの顔を見上げながら楽しげな声で言った。



「オレもかそうやってみたいさ!思いっきり怖い格好して、ラビを驚かしてやる!」



驚かす≠ニいう言葉が気に入ったのか、ティキもニヤリと悪戯っぽい笑みを浮かべながら仔ラビの提案に喰いつく。



「怖い格好って、たとえばどんなの?」



「うーん………、……ラビって何か苦手なものとかあるかなぁ?」



「苦手なもの……かぁ……」



好きなものならたくさん知っているが、苦手なものとなるとなかなか思いつかない。



少し考えた後で、ティキはため息をついた。



「……俺はラビの苦手なもの知らないな……。食べ物ならわさび≠ネんだけど。ラビが幽霊なんかで怖がるとは思えないし」



「……ラビって怖いものなし、なんさ……?」



そんなはずはないと、仔ラビは腕を組んで考え込んだ。



何かあるはずだ。未来の自分が怖がるものが、何か………。

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ