山崎烝の新選組日記
□我、果敢にも副長に願い出る
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某月 某日
狒狒親父・・・・・もとい芹沢筆頭局長が、行き倒れの男を拾ってきたらしい。
あの、自分以外の者を人とも見ぬ乱暴者が?と皆首を傾げ、薄ら寒そうにしている。
「全く、なんでよりにもよって男なんだろ。どうせ拾うなら、可愛い女の子にしといて欲しいよね」
沖田さんと珍しく意見が一致してしま・・・・・・・いやいや・・・・・。
そんな破廉恥なことは俺は思わん。
とにかく、こいつが間者でないかどうか、調べなくては・・・・・・・・。
・・・・・・・すっかり監察方が板についてきたな・・・・・・。
どうやら、その名前も出身も分からぬ男を、藤堂さんが看病しているとこのと。
・・・・・っつーか、自分が拾ったなら自分が面倒見ろよ、おっさん・・・・・。
まるで
「おかーさーん、子犬拾ってきちゃった。飼っても良い?」
「ちゃんと面倒見られるの?」
「うん!僕、ちゃんと面倒見るから!!お願い!!」
「仕方ないわね〜〜」
という約束を母親と交わしておきながら、散歩も餌やりも結局母親任せの糞餓鬼と変わらんではないか・・・・。
っと・・・・・また本音が・・・・・・。
何と言うか今回の件は、薄気味悪くて仕方ないからな・・・・・・。
あの芹沢さんが!?
と、みな驚愕しているのだ。
俺が思うに、どうせその男を拾ったのも、劇場版ジャイ◯ンみたいに日々の悪い行いを、
たった一回の善行でチャラにしてもらおうとかいう浅ましい行動・・・・・・
いやいや・・・・。
そうではなくてだな・・・・・・。
いつも粋がっている不良が、捨てられて雨に濡れている子犬に優しくして、
可愛い女の子がそのギャップにやられると言う、古典的な展開を期待しての浅ましい行動・・・・・・
いやいや・・・・。
・・・・・・・俺もどうも今回の件で、動揺しているようだ。
とにかく、得体の知れない男を調べなくては。
その男は井吹龍之介という、大層な名前の持ち主だ。
歳も十六と言う事で、糞生意気な年頃だ。
大体年上に向っての言葉遣いがなってない。
ちなみに、俺は史実的にはこの頃三十路・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・マジでか・・・・・・!?
何か若くね・・・・・・・?嬉しいけど・・・・。
その上、源さんこと、井上さんの年齢は三十四くらい・・・・・・。
何か老けてね・・・・・・?酷い・・・・・・・。
あと、芹沢の狒狒親父も三十四くらい・・・・・・。
・・・・・・・・・貫禄半端ねぇな・・・・・・・・。
おっと、話がそれた上に、俺の言葉遣いも井吹とか言う男に当てられて、おかしくなってしまった・・・・・。
さて、この井吹龍之介とか言う男がどういう男か、じっくり調べさせてもらおう。