ONE PIECE(シャンクス長編)
□疑問だらけの海辺
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あの状況でよく生き延びたものだと、自分の運の良さに感心する。
騒がしいが可愛らしい幼女のような女と、俺に対しては無口だが女と話す時にはやたらとテンションの高い男の漂流者2人に救われたのは、悪運のほうが働いたのかもしれない、とシャンクスはぼんやりと考えていた。
「シャンクスはどこの国の人なの? アメリカとか?」
「……アメリカ?」
聞き慣れない言葉に首を傾げた。
「違った? イギリスとかフランスとか、えーっと、スペインにイタリア……」
片っ端から知っている国をあげていくミナミだったが、シャンクスは首を振り、「ウエストブルーだ」と言った。
「ウエストブルー……聞いたことない国ね。ユウは知ってる?」
ユウも知らないと首を振った。
「知らない? お前たちは西の海もわからないのか? どこの生まれだ」
「もちろん日本だけど」
ミナミは当然だとばかりに言ったが、シャンクスは眉をひそめた。
「ニホン……聞いたことのない国だな」
「え……」
ミナミとユウはお互いの顔をみあわせた。
海で流されはしたものの、どれだけ遠くへ流されたとしても日本のどこかだろうと2人は思っていた。
しかし、同じく漂流者であるシャンクスは日本を知らないという。
確かに出で立ちは日本人のものではなかったが、流暢な日本語を話している。
矛盾だらけのシャンクスの言葉に、ミナミたちの思考回路はパンク寸前だった。