ONE PIECE(シャンクス長編)
□海辺の朝
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「酒呑んで、暴れて、海に落ちた。それだけだ」
それ以上シャンクスは語ろうとしなかった。
ミナミも興味が失せたのか、ふーんと適当な相槌をうつ。
しかし、ユウの中ではシャンクスいこーるヤクザという式が成り立っているため、ヤバいことをしてトチった下っ端が制裁で海に落とされたのだろうという妄想で頭がいっぱいだった。
「お前たちはどうしてこんなところにいるんだ」
シャンクスの問いに、ミナミは流された経緯を説明した。
それは災難だったな、と彼はたいして同情する素振りもみせずに笑いとばすと、無邪気な子どものような笑顔で言った。
「しばらくすれば俺の仲間が迎えにくるはずだ。その時はお前たちをちゃんと送ってやるから心配するな」
「本当に!? シャンクスありがとう! 大好き!」
ユウは、やくざの迎えと聞いてとんでもないと思ったが、帰還するにはその方法しかなさそうだ、と複雑な心境で、シャンクスの仲間を待つことにした。